環境の改善に活かせる「ブロークンウインドウ理論」
環境の改善に活かせるブロークンウインドウ理論
日本では「割れ窓理論」といわれ、1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうというものです。
かつて、ニューヨークのジュリアーニ市長が、この「割れ窓理論」を実践し、
ニューヨークの地下鉄で大規模な落書き清掃を行った結果、地下鉄内での犯罪が大幅に減少した例が有名です。
その他、特別な予算を組んで「ガラスの割れた窓」「電気の切れた街灯」「あふれかえるゴミ箱」「落書きだらけの壁」などを徹底して美化していき、ニューヨークの犯罪件数を減少させました。
また、ディズニーランドでは、パーク内の小さな傷を見逃さず、徹底した修繕・清掃を行っています。
これにより従業員はもちろんのこと、パークに訪れるお客様のマナー向上に成功しています。
家庭でも「割れ窓理論」を実践してみる
荒れた中学校を13回の陸上日本一に導いた原田隆史監督(元大阪市立松虫中学校教諭)の著書「本気でなければ子どもは変わらない」の中に
家庭内暴力をふるう子どもの家に行って目につく特徴として、家の中の「すさみ」をあげています。
ゴミがたまっていたり、部屋の中がゴチャゴチャしていたり、テーブルの上が汚かったり、ドアやふすまが壊れていたり、玄関のクツやカサがメチャクチャだったりするそうです。
そんな家庭での「心づくり」の第一歩として原田先生は、こう言われるそうです。
「まず、玄関のクツをそろえるところからやりませんか」
親自身が、クツをそろえるところからはじめ、玄関の掃除、壊れたところの修繕など家の中の「すさみ」をなくしながら、
子どもにも「クツがそろえられる」ようになったら「テーブルの上のゴミを片づける」「自分の脱いだ服を洗濯機に入れる」など課題をふやしていく。
原田先生は「かつてのニューヨークと同じ『すさみ』という現象が、いま日本の各家庭の中に起ころうとしているのかもしれません。
しかし防ぐ方法はあります。
クツをそろえる。ゴミを片づける。
シンプルなことを毎日続けるだけでいい。
日本のすべての家庭で子どもたちがクツをそろえたら、
子ども自身も、日本の社会も大きく変わっていくだろう」と著書に書かれています。